個人が本を出版する方法をご紹介!個人が出版する際によくある疑問も解説します

個人本出版 出版

自分が創作した物語や長年書き溜めてきたエッセイ、撮り続けてきた写真などを本の形にしたいと考えた時、「どうやったら本を出版できるの?」と多くの方が悩むことでしょう。

自費出版や商業出版、電子出版など、調べるといろいろな方法があるようだけれど、それぞれが実際どんなものなのかイメージがわかない…という方もいるはず。

今回は個人が出版する方法やそれぞれのメリット・デメリットなどを詳しく解説します!

個人が出版する方法はたくさんある!

本棚
「本を出版したい!」と思い立って出版方法をネットで検索すると、実際のサービスが様々に表示されます。

大手出版社の手がける書店流通も叶う自費出版やAmazonが提供している電子書籍など、出版に関する個人向けのサービスは数多く登場しています。

中には原稿の作成から依頼できるサービスもあり、文章を書くのは苦手な人も自身の構想や経験をもとに原稿がない状態から本をつくることができるのです。

それぞれのサービスによって依頼できる内容や自分で準備をしなければならないもの、サービスにかかる費用も異なります。

また、サービスによっては書店流通ができるものとできないものもあり、販売経路も異なる場合があります。

自分の理想の本をつくるためにはどのサービスが一番適しているのかに注目して、出版方法を検討してみてください。

代表的な個人が出版する方法

個人が本を出版する方法は様々に登場していますが、その中で「書店へ流通ができる方法」は大きく2つです。

せっかく本をつくるのであれば書店流通させたいと考える方は多いことでしょう。

ここでは書店流通もできる、個人が出版する方法を解説します。

自費出版

ノートとペン
まず代表的な出版方法の1つ目は著者自らが出版費用を負担して出版する自費出版です。

個人で出版する場合、せっかく本をつくっても書店への流通ができないのではないかと思われている方もいることでしょう。

基本的に、書籍は出版社が出版し、取次店を通して書店の店頭へと並びます。

この流通経路を個人で開拓するのは難しいのですが、自費出版は出版社を通して販売できるため、一般書籍と同じように書店にも流通させることができるのです。

著者が負担する費用は制作にかかる費用全般であり、本の印刷費用や流通費なども含まれます。

また、もし原稿の作成から依頼する場合はその原稿料やレイアウト、装丁の作成費用なども必要です。

費用は書籍のページ数や体裁などによっても変動しますが、およそ150万〜300万円ほどが必要となります。

商業出版

個人が本を出す2つ目の方法は、制作費用を出版社が負担する商業出版です。

この方法では出版社が本の制作にかかる費用を全て負担するため、出版社が利益を出す目的で出版します。

自分のアイデアや本にしたい内容を企画として出版社に持ち込み、出版社が売れると判断した場合に企画が買い取られて書籍化を実現できるのです。

費用的な負担は全くない場合もあれば、実際に販売して本が一定期間後に売れ残っていれば在庫を著者が買い取る必要がある場合もあります。

出版方法別のメリット・デメリット

ここまで2つの出版方法をご紹介しました。続いてそれぞれのメリット・デメリットを解説します。

自費出版の場合

開いた本
自費出版のメリットは本の内容の自由度が高いことです。

本の内容や体裁などはほとんど著者の希望通りに制作することができます。

原稿の内容だけでなく、本の紙やソフトカバー・ハードカバーのどちらにするのか、本の大きさなども自身の希望にそった本づくりができるのです。

そのため、自分の思い描いていた通りの本をつくりたいと考えているのであれば自費出版がおすすめです。

また、自費出版ではベストセラーを狙うことは非常に難しく、印税などでの利益はあまり見込めません

在庫を多く抱えるリスクもあり、印税で儲けることだけでなく、制作費用を回収することも難しいという点もデメリットの1つです。

商業出版の場合

商業出版のメリットは自費出版に比べ費用負担が格段に軽減されることです。

商業出版では出版社が利益を出せると判断し、出版社主導のもとで本の制作が行われます。

そのため原稿の作成から流通時の宣伝まで、費用を負担せずに行うことが可能です。

ただし、出版社が利益を出すための、売るための本となるため企画段階から厳しく審査されます。売れないと判断されてしまうと商業出版は叶いません。

また企画が通った場合も著者の伝えたいことと出版社が売れると判断した内容が異なる場合もあります。

企画は通ったけれど完成したものはイメージしていたものと違う、といったことが起こる可能性がある点も商業出版のデメリットです。

出版社を通さずに出版する方法も

ここまで、出版社を通して出版する2つの方法を解説してきました。

しかし個人が本を出版する方法には出版社を通さない方法もあります。

続いて出版社を通さずに出版する方法を解説します。

Amazon KDPやPODを活用

本とPC
出版社を通さない出版方法として、Amazonのサービスを利用するという方法があります。

それはAmazonが手がけているセルフ出版サービス「Amazon KDP (Kindleダイレクトパブリッシング)」です。

2021年秋から提供され始めたこのサービスでは、Kindleでの電子書籍の販売だけでなく、紙の書籍も販売することができます。

またAmazonではPOD(プリントオンデマンド)といったサービスも展開しています。

いずれも原稿の作成や入稿データの作成などが必要ですが、初期費用もかからずに自分の本を出版することができます。

販売はAmazonでのみ行われるため書店流通はできませんが、紙の書籍の製本・出荷もAmazonが実施してくれるため在庫を抱える必要もありません。

個人のECサイトや即売会で販売

出版社を通さない出版方法としては個人のECサイトや即売会での販売という方法もあります。

即売会での販売は主に同人イベントへ参加するという方法です。

二次創作・一次創作に限らず、全国各地で開催されている同人イベントの中から出版したい本のジャンルにあったイベントに参加することで、同じ趣味やジャンルの好きな人に向けて販売できます。

即売会で売り切れなかった本は、個人のECサイトを立ち上げて販売することも可能です。

「とらのあな」など、個人の創作物を扱っているECサイトへ出品することもできるでしょう。

制作から販売・在庫管理まで全て自分で行う必要がありますが、自分の出したい本をイメージした形で出版できる方法です。

個人が出版する際によくある疑問

ここまで個人で出版する方法を様々にご紹介してきました。

それぞれの特徴はわかったけれどまだまだ疑問がある、という方もいらっしゃるでしょう。

最後に、個人での出版を検討されている方のよくある疑問へお答えします。

どのくらいの費用がかかる?

自費出版は高額、商業出版は負担が軽減されるといっても、実際にどのくらいの費用がかかるのか疑問に思っている方は多いことでしょう。

自費出版の場合、出版社のサービスや契約内容などによって変動しますが、おおむね以下のようになっています。

  • 大手出版社:500万〜1000万円
  • 大手以外の出版社:150万〜500万円

商業出版の場合、基本的に費用負担はありませんが売れ残った際に在庫を買い取る場合には買取り費用が発生します。

また即売会などで販売する場合、本の印刷費用やイベントへの参加費などのほか、知人などに売り子を依頼した場合はそのお礼などの費用も必要となります。

印税はどのくらいもらえる?

本を出版するとなると気になるのは印税がどのくらいもらえるのか、という点です。

出版社やサービスによって異なり、30%の場合もあれば3%ほどしかないという場合もあります。

印税の支払いのタイミングは、出版から1年後にまとめて支払われるケースや四ヶ月ごとでの支払いなど出版社によって様々です。

例えば自費出版で1000円の本を出版した場合、30%の印税であれば300円の印税が著者に入ります。

1年間で1000部販売できれば30万円の印税が入ることになりますが、残念ながら1000部販売できる自費出版本はほとんどないと言ってよいでしょう。

Amazon KDPなどの場合は印税という形ではありませんが、著者の手元に入るのは販売価格から手数料が引かれた額となります。

どんな内容の本が出版できる?

個人が本を出版する場合、基本的に本の内容は自由に決められます

商業出版の場合は出版社の意向が反映されてしまう場合もありますが、その他の方法であれば自分が本にしたい内容での出版が可能です。

自分史やビジネスのノウハウ本、写真集、絵本など、基本的にどのような内容でも自分のイメージしているものを出版できます。

ただし、自費出版の場合は出版社を通しての出版となるため、自由度が高いとはいえ公序良俗に反するものや反社会的な内容などであれば断られるケースもあります。

こうした内容の場合はAmazonのサービスでも販売停止となる場合もあるため、ガイドラインはきちんと確認しましょう。

本を出版したいなら出版方法の選び方が大切

開いた本
今回は個人が本を出版する方法を解説しました。

出版に関するサービスが多様化していることで、本を出したいという思いを持っている方の希望に近い形での出版がより実現しやすくなっています。

サービスによって流通の仕方やかかる費用などは異なり、どこまで自分のイメージ通りにつくることができるかも異なります。

それぞれのサービスを見比べて、ぜひ自分の理想の本がつくれるサービスを選んでみてください!